自治体が主体となって、地元の名産を機能性表示食品として届け出ようという動きが増えています。弊所へも、日本全国の自治体から問い合わせが続いています。
弊所では、各地方の大学農学部などと連携してシステマティックレビューを作成してもらい、地元の名産品を機能性表示食品として届け出る枠組みを提案しています。産学連携と地域振興を兼ねることが可能なので、地方自治体では調査費を計上して取り組むケースも増えているようです。
ただし、地方自治体の担当者の方々は機能性表示食品の届出についてあまり詳しくないようで、下記の記事にあるように「シナリオが崩れ」るリスクもあるようです。
ミカン産地のJAなどが準備を進めるが、所管する消費者庁には全国から届け出が相次ぎ、手続きが滞っている。15年度中に「静岡ミカン」全体の機能性表示を目指した県の担当者は「シナリオが崩れた」と困り顔だ。
(2016/1/18 静岡新聞)
機能性表示食品は、商品の販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出ることが必要です。この点、「届出」とは単に消費者庁に書面が到達するだけでは足りません。形式的不備がある場合には補正を完了し、届出書面として完成させた形で提出する必要があります。
したがって、書面の形式面に不備があれば補正する時間が必要となり、さらにその補正内容を消費者庁がチェックしてから「届出完了」となります。先ほどの記事にも下記のような記述がありました。
JAみっかびの温州ミカンの段ボールに、含有成分「β(ベータ)-クリプトキサンチン」の健康効果をうたう届け出が受理されたのは15年9月上旬。JAとぴあ浜松(浜松市)も9月末、同庁に届け出書を提出したが、11月末に返却された。表記手直しや追加資料提出など5項目の改善を求められたという。
(2016/1/18 静岡新聞)
行政法上は「受理」という概念は排除されていますので、上記文章を起案した記者は法律を全く理解していません。このような間違った記事によって、機能性表示食品の手続きに対するネガティブな印象が広まることは残念です。弊所へお問い合わせいただく方の中にも「受理」という用語を使用される方が多くいらっしゃるので、その度に説明しています。
確かに、機能性表示食品は「許可」ではなく「届出」なので、法的にはハードルが低いとも思えます。しかし、消費者庁の要求する形式的要件を全て満たす書面を一度で完璧に提出するのは困難といえます。機能性表示食品の届出では、何度か補正しながら手続きを完了させることを前提としてスケジュールを組むべきです。
機能性表示食品の届出書面を代理人として作成できるのは行政書士だけです。届出書面作成などでお困りの場合には、行政書士にご相談ください。
